私たちの活動について

 

宍塚の里山・カシナガバスターズ

 

私たちの活動について

 　私たちはNPO宍塚の自然と歴史の会でナラ枯れボランティアをしている小学生とその保護者4家族からなるカシナガバスターズです。活動場所は土浦市にある宍塚大池周辺の里山で、鎌倉街道沿いの木々の保護をしております。

　みなさまナラ枯れという言葉を聞いたことがありますか？　どんぐりの木が夏に急に枯れてしまう病気です。全国的にも問題になっており、茨城県内では2020年につくば市で被害を確認して、3年間で被害が急拡大しています。これは体長5ｍｍほどの小さな甲虫カシノナガキクイムシ（カシナガ）が原因です。

　カシナガは一生のほとんどを木の中で過ごし、5月～10月頃に成虫になり木から出て、健全なナラ類の木へ飛来します。　カシナガは樹幹に爪楊枝程の小さな穴をあけ穿入（せんにゅう）し、ナラ枯れの原因となるナラ菌を持ち込みます。カシナガの繁殖力は強く1ペアが木に入り込むと翌年には数百匹に増えてしまうので、この期間にできるだけ多くのカシナガを捕虫する事が重要になります。

　カシナガを捕虫するために、A4クリアファイルを使ったTWTトラップを作り、狙われている木に設置します。トラップにかかったカシナガが逃げ出しにくいように、底の部分に水を入れる構造ですが、カシナガ以外の虫も入ってしまい溺死していました。一昨年この問題を解決するため、小学生の兄弟が大きな虫が入らないようにネットをつけトラップを改良してくれたおかげで、昨年は沢山の虫を救済することができました。

　被害木は、21年は13本、22年は56本と拡大をしたので、トラップの設置数も増えました。真夏の暑さと蚊やスズメバチが飛び交う中での水替え・回収作業は本当に大変でした。そこで作業時間を短縮するために、トラップの代わりにレジャーシートやストレッチフィルムなどを幹に巻く実験も行いました。その他、情報の共有化のため、被害木に番地をつけ、マップを作りました。

　子ども達のカシナガへの質問・疑問などを県南農林事務所に相談し、昨年８月に森林研究所の博士を始め錚々たるメンバーにて、小学生を対象にしたナラ枯れお勉強会を開催してもらいました。　そのおかげで子ども達のナラ枯れの知識や意識が高まり、夏休みの自由研究やコンクールでナラ枯れの活動発表し表彰されました。

　昨年12月に宍塚の自然と歴史の会が主催した霞ヶ浦環境科学センターでのナラ枯れシンポジウムにて、小学生の活動報告の発表をさせてもらいました。

　本当に多くの方達のご協力で、親子ともどもプライスレスな経験をさせていただいています。